ゆっくり届いた春のごちそう「アイヌネギ」

カタクリとアイヌネギ

 プーでの暮らしは、食べるものには困らないし屋根やガラスをたたく吹雪やみぞれに昼寝を邪魔されることもなく、何の不満もないはずでした。ところが、何時も半月もたつと、マスターの目を盗んで台所を駆け回ったり、娘さんが食べこぼしたビスケットのかけらを拾い集める日々が懐かしくなるのでした。天国だと思っていたプーがいつの間にか天国ではなくなるのです。「そろそろ戻るか」エンクルは身支度を始めました。
 地下室をでると、冬の間風でガタガタふるえていた家の窓から様々な鳥の声が聞こえてきました。するすると窓に這い上がると、木の枝にリンゴや牛脂がくくりつけてあります。エサ台にはトウモロコシやヒマワリの種、クルミまでのせてありました。さっそくエゾリスがエサ台の上でクルミを抱え込んでいます。野ねずみも来てエサ台の下にしげっているカタクリやアイヌネギの間を忙しくいったり来たりしています。下に落ちているヒマワリの種を食べていたのです。
さわさわと優しい風が南の方から吹いてきました。エンクルが風が吹いてきた方に目をやると、エサ台の向こうの南側の斜面はエゾエンゴサクの花で紫色に染まっていました。
「春だ、春だ、春が来た」エンクルは窓辺を行ったり来たりしながら、そわそわと小さく何度も飛び上がりました。
大雪の山々に、春はゆっくりやってきたのでした。

【アイヌネギ(行者ニンニク)】
アイヌネギ(行者ニンニク)のことをアイヌはキトと呼んでいました。アイヌにとって、山で採れるものは神様が人間のために地上へおろされた食べ物であり薬でした。その中でもキトはその烈しい臭いで病魔も追い払うと信じられていました。
実は山ねずみ、キトはジンギスカンや焼き肉と一緒にそのまま焼いて食べたことしかありませんでした。疲労回復や免疫力を高めるアリシンがニンニクや玉ねぎの何倍もあるということなので、まずは、ショウガも入れて醬油漬けにしてみようと思います。

アイヌネギ(行者にんにく)の効果と効能
1.β-カロテンが豊富!- 老化防止や視力を向上する効果
2.行者にんにくでビタミンCを摂取!- 細胞の老化を防止する効果
3.ビタミンKが特に豊富に含まれる!- 止血作用と骨粗しょう症予防
4.行者にんにくにはアリシンも!- 疲労回復や風邪予防
5.葉酸も摂取できる! – 胎児の先天異常防止と貧血を予防する効能
(引用:良好倶楽部)

口臭と心のためのハーブティー
『ミントの風』
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みそ汁ビギナーズⅠ

 大雪にはなかなか簡単に春はやってきません。春の光のかけらは昨日の吹雪でおおいかくされてしまっていました。
 夜が明けてすぐ、パパンッ、ドドッドッーと、じひびきがしてエンクルは本棚のうらで飛び上がりました。娘さんも飛び起きて、走って窓辺に行きました。空はいつになく青く晴れていて何事もなかったようです。でもしばらくするとまた、パパンッ、ドドッドッーと、ひびきます。
 マスターは、2階で心配そうに外を見ている娘さんに大きな声で言いました。
「カムイミンタラのスキー場だよ。人口なだれを起こしてるんだ。スキー客がなだれに巻き込まれないようにね。」
「カムイの山の動物たちは、ちゃんと巣穴に戻れたかしら。」
 娘さんは、動物たちがおびえているに違いないと思いました。
「大丈夫さ。でも、ヒグマはおどろいて目を覚ましたかもしれないね。」
「ヒグマさんのめざまし時計ね。もう少しだけ眠りたかったのに。」
 そうつぶやくと、みそ汁のだしのにおいに誘われて階段を下りていきました。

【みそ汁 ビギナーズ】

パパが台所に立つと後片付けがかえって大変という話を時々耳にします。
切ってストックしておいた食材に包丁を使わなくてもよい食材をを入れるだけなら、後片付けは無いも同然です。
汁を多めに作っておいて、朝と晩で具材を変えるのも簡単です。例えば朝はエノキと豆腐とカットわかめ、晩は青ネギとキムチとひきわり納豆など。

・ストックしておくと便利な食材


左から
油揚げ(お湯をかけて油きりしたもの)
エノキ(カットしたもの)
青ネギ(あさつき、わけぎでも)
*冷凍もできますが、数日で使い切るなら冷蔵庫の野菜室で保存

①汁を作る


最近ははだしパックも美味しいものがたくさんあります。
鍋にだしパックを入れて、だしが出たら火を止めて味噌を適量入れます。
味噌を入れすぎないよう気を付けましょう。

②椀に具材を入れる


油揚げ
エノキ
サラダほうれん草(切らずにそのまま)


油揚げ
エノキ
青ネギ


エノキ
豆腐(スプーンですくう)
ブロッコリースプラウト(必要な分だけハサミで切る)

③椀にしるを注ぐ


具材を仕込んだ椀に温めた味噌汁を注いだら出来上がりです。

*煮込まなくても食べられる食材はたくさんあります。パパだから思いつくような食材もたくさんありそうです。ママが用事で留守の時、ご飯とみそ汁があれば後は何とかなります。

パパでもできるお粥とあま酒

 3月とはいっても大雪の山々はすべてが雪でおおわれていました。それでも、雪の中に無数の光のかけらがちらばって春が近いことを教えてくれるのでした。エンクルが窓のすみっこで外をながめていると、きらきら光る銀色の雪原の中ををふもとの村からもどったキタキツネがゆっくりと家路に向かっているのが見えました。
そんな朝、マスターは何かにせきたてられるようにお粥を作り始めました。娘さんが熱を出したのです。土鍋に2合のお米とたくさんの水を入れてやってみたのでした。お粥はあっという間に食べきれないほど土鍋いっぱいになりました。
お粥を食べ終わると、娘さんは
「お母ちゃまの甘酒が飲みたいなぁ」
と心の中でつぶやきました。
聞こえてはいないはずなのにマスターは悲しそうな顔になったのでした。

風邪やインフルエンザが流行する時期、ママがダウンした時のためにパパもお粥ぐらいはささっと作れるようにしておきましょう。残ったお粥に糀をいれて発酵させたら、飲む美容液とも言われる糀の甘酒までできますよ。お正月に使いきれなかったきな粉もトッピングとして活用しましょう。

*糀に含まれるエルゴチオナインーVEの7000倍とも言われる抗酸化力があります。熱に強いので加熱調理しても大丈夫です。

実は山ねずみ、糀がやや苦手。飲むときには酒粕の甘酒やチャイと割って飲んでいます。
写真は左から
・あま糀+きな粉+クルミ+黒砂糖+ターメリック
・あま糀+チャイ +シナモン
・ドライフルーツのあま糀漬け(ドライフルーツを一晩あま糀に漬けたもの。レーズンやプルーンがおすすめ)

*ターメリックをかけたのは、この日たまたま二日酔いだったからです。シナモンや黒蜜、野菜パウダーなどでも。

【お粥とあま糀(甘酒)】

材料
・お米   1合
・ 水     お米の5~7倍
・ 糀      200g

作り方
・土鍋に研いだお米を入れる
・中火にかけて、沸騰したら一度なべ底からかき混ぜ、弱火の弱火にします
・蓋をして20分程弱火にかけ、火を止めて蒸らします
*吹きこぼれやすいので、ビギナーは蓋をずらして炊いた方が 良いかもしれません

・先ずは、お粥をいただきます
・残ったお粥は少し冷まして口にすることができるくらいの温度になったら(60℃前後)糀を入れてよく混ぜる
・保温ポットや保温機能のある鍋に入れて1日(半日経ったあたりで少し温める)、炊飯器(蓋は閉めないで鍋のふたなどで代用)なら保温にして6時間おく
・甘くなっていたら出来上がりです

*発酵が足りないようなら、少し火入れ(60度を超えないように)をしてさらに保温してください。これを繰り返しながら硬すぎるようならお湯を足したりしてお好みの甘さになったら冷蔵庫で保存します。
*チャイは今やコンビニでも買えるようになりましたが、自分でも簡単に作れます。作り方はネットに出ていますが、紅茶はアッサムが合いそうです。

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超簡単ひなあられ

 もりのひなまつり 節分が過ぎると、マスターは『もりのひなまつり』という絵本とこんぺい糖を窓辺におくのでした。山小屋にはおひな様はおりません。富良野にお嫁に行った娘さんが連れて行ったのです。
「聞いて。ゴリッ、シャリシャリシャリ 」
 娘さんは、こんぺい糖を口に入れるとマスターの耳に吸い付くほどほっぺをつけて音を聞かせるのでした。
「投げた歯が、ちゃんとねずみさんに届いたと思うの。だから丈夫な歯がはえてきたんだわ。」
 娘さんは鼻を少し上に向けて腕組みして言いました。
「お父ちゃまいつも言っているでしょう?山のねずみは、木の実やにんじんやごぼうみたいなかたい根っこを食べているから歯が丈夫なのだよって。」
 こんぺい糖は、「ゴリッ、シャリシャリシャリ」という音や、時に暖炉の火のように暖かく時に雪のようにひんやりとした感触までも、昨日のことのように思い出させてくれるのでした。

*乳歯が抜けたら

  

【簡単ひなあられ】


お正月に
食べきれなかった切り餅を、油で揚げて製菓用のいちごパウダーなどと混ぜるだけです。

材料
・パック入り切り餅
・いちごパウダー+粉糖
・抹茶シュガー

作り方
① 切り餅を小さく切って3日ほど乾燥させる(揚げると4~5倍になります)
② 油で揚げる(きつね色にならないように低めの温度でゆっくり揚げる)
③ 少し冷めたらビニール袋に入れてパウダーを入れてふって均等になじませる

残りは大人のひなあられ(もはやひなあられとは別物…)にしました。左からパセリソルト、シナモンシュガー、ハーブソルト

*パウダーは製菓用で百均でも手に入ります。ベビーショップなどで売っている離乳食用の野菜パウダーでもできますが、そのまま使うと粉っぽさが残るので砂糖と水を煮詰めた中に加えてあられに混ぜたほうが良いと思います。野菜パウダーはパンケーキや白玉に混ぜて使ったりもできますし、離乳食だけでなく介護食にも活用できそうです。
*最初の画像は、あられにパンプキンシードを炒って混ぜています。

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楽しみな豆まき

 


 エンクルは大雪山系の標高千メートルほどの山小屋に暮らしていました。もうすぐ一年で一番楽しみにしている節分です。栄養豊富なピーナッツはエンクルの大好物です。マスターはまいた豆をすぐにかき集めるのですが、本棚のうらや段ボールのかげに必ず残しておいてくれるのでした。

 ピーナッツは中国では落花生のほかに長寿花とも呼ばれています。オレイン酸やレシチンが豊富でアンチエイジングや記憶力低下を防ぐ効果もあるといわれています。ピーナッツの薄皮には、最近では赤ワインなどですっかりおなじみになった「レスベラトロール」が豊富です。抗酸化作用が強いポリフェノールでこれも心臓病やがんを予防する効果があります。
  栄養価の高いピーナッツですが、歯科では咀嚼効率を調べるのによく使われます。咀嚼効率とは健康な歯を100としたとき、入れ歯やインプラントはどのぐらい効率よく咀嚼できているかを表すものです。
 食事は一口30回咬むようにしたいものですが、忙しい現代人にはなかなかの難題です。節分の夜、みんなで一粒の豆を30回咬んでみて、咬むこと咬めることの大切さを噛みしめてみてはどうでしょう。

*ピーナッツアレルギーが疑われる場合や腎臓病の方は食べられる量など注意が必要ですので医師にご相談ください。